フィンランド教育 基本の「き」

Moi! こんにちは、元高校英語科教員でフィンランド在住のMisakiです!「世界の教室から日本の教育をアップデートする」ことをミッションに活動しています。

「フィンランドの教育って良いって聞くけど、実際どうなの?」「何がそんなにすごいの?」
そんな疑問に答えるために、今回はフィンランド教育の“基本”についてまとめていきたいと思います。


基本原則

フィンランドの教育制度は、「一人ひとりに人生を模索する平等な機会が与えられ、選択の自由が委ねられてこそ、国家がその人間的・経済的な潜在能力を発揮できる」という信念のもとに成り立っています。

子どもを中心に据え、自分の人生を自由に選択しやすくなるよう設計されているのが特徴です。
教育の目標は、単に知識を習得することではなく、「生涯学習の喜びを享受すること」。

重点は学力だけにとどまらず、子どもたちをサポートし、積極的な参加を促すことに置かれています。


子ども中心の教育制度

フィンランドの義務教育は、6歳のプリスクール(就学前教育)から18歳の高等学校まで。2021年に高等学校まで延長されました。
しかも、プリスクールから大学まで教育は完全に無料。

プリスクールから中学まで、毎日あたたかい給食が提供され、制服や修学旅行、給食費、教材費(中学まで無償)といった「隠れ教育費」もかかりません。
ECEC(保育園)については一部費用負担があるものの、国からの補助があります。

中学卒業時には、自分が何を追求したいかを考え、高校に進んで大学を目指すか、職業専門学校に進んで技術を高めるかを選びます。
また、大学は研究を重視、応用科学大学は実践を重視しており、そこに上下関係(ヒエラルキー)はありません。

「やり直しが効く社会」の中で、自分のやりたいことを自分でデザインしていくことができます。


平等な教育

フィンランド教育の土台を支えているのは、何よりも「平等性」です。
この考えは1970年代の教育改革にさかのぼり、階級的学校制度を廃止して、総合制学校制度を導入しました。

ほとんどすべての学校が公立で、どの学校に通っても同じクオリティーの教育を受けられます。
特に小中学校については「一番近い学校が良い学校」という考え方が根付いており、地域社会の共同体意識を育むことにもつながっています。

どの学校に行くかよりも、「何をしたいのか」を重視しているのです。


「信頼」が基盤の社会

フィンランド社会の基盤にあるのは「信頼」です。
すべての学校はナショナルコアカリキュラムに沿って教育を行いますが、各自治体や学校の裁量で、その枠の中に独自のカリキュラムを組み込むことができます。

トップダウンではなく、「教師たちがどのように生徒を支援したいか」大きな裁量権が与えられ、教師が信頼されているからこそ、教育活動が自由に、寛容に行えます。

教師の役割は「監視」ではなく、子どもたちの成長を「支援」すること。
「どう学ぶか」は子どもたちに任されており、任されるからこそ、子どもたちは責任を学び、自ら学ぶ力を身につけていきます。

基礎教育(小中学校)の間には全国共通テストはありません。
高校は単位制で、自分で取りたい授業を選んで受けるスタイル。
高校の最終学年には、全国共通の高校卒業資格試験が実施され、それに合格することで大学や応用科学大学への進学が可能になります。


ありのままを受け入れる「インクルーシブ教育」

フィンランドの教育制度は、家庭背景や能力に関係なく、生徒一人ひとりが成長するために必要な支援を提供することを目的としています。

効果的な学習環境とは、生徒の身体的、精神的、社会的なニーズに応えること。
これは身体的な支援だけでなく、学習支援も含まれます。

例えば、算数や国語が特に苦手な子には小グループでの補習を行ったり、身体的に活発な子どもには姿勢を保持するクッションやスツールを使ったり、教室の外でアシスタントと一緒に活動したりすることもあります。

特別指導の教師とアシスタントは、ほぼすべての学校に配置されており、成績評価や競争ではなく、深い観察と支援によって健全な学習環境がつくられています。


生涯学習の喜び

現代の複雑な社会では、教科のテストで100点を取ることで問題が解決するとは限りません。むしろ、学んだことを総合して、答えを導き出す力が求められています。

そのためフィンランドでは、横断的コンピテンシー(教科を超えた学習力)を重視しており、これはナショナルコアカリキュラムに組み込まれています。

目的は、生徒の学習能力を支援し、生徒が生涯を通じて積極的な学習者であり続けられるようにすることです。

横断的コンピテンシーには以下の7つの柱があります:

  1. 思考力・学び方を学ぶ力
  2. 文化的能力・交流および自己実現
  3. 身の回りのことを自分で対処し、日常生活を管理する力
  4. マルチリテラシー(多様な読み書き能力)
  5. ICT(情報通信技術)に関する能力
  6. 職業生活に必要な能力と起業家精神
  7. 参加と関与、そしてサステナブルな未来の構築

学習は「学校でだけ行われるもの」ではなく、「横断的に」「生涯にわたって続くもの」なのです。


以上が、フィンランド教育の基本的な特徴です。
「子どもを信じ、自由を与え、支える」という姿勢が、学ぶ喜びと未来を育てていることがわかります。
日本とは違った価値観に触れることで、教育についての考え方を少し広げてみるきっかけになれば嬉しいです。


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